そもそも、字が下手だからごまかすために書き始めた笑い文字。
筆なんてとんでもない!と思いました。
当然、手に取ったのは硯箱の中の
筆ではなくて筆ペンです。
そして、書いてみると
なんだかいいんです!
あっ、筆ペンで書こう!
ほっぺは朱色にしよう!
今思えば、
これが笑い文字誕生の瞬間だったのかもしれません。
やがて、
これを習いたい人が現れるのです。
当時住んでいた岡山はじめ、名古屋、北海道と
笑い文字の仲間がいる場所で、
次々と書き方を教える講座をさせていただきました。
と、いっても
今のように体系化された講座ではなく、
文字を筆で書いて、そこに笑った顔を入れたら出来上がり!みたいな
本当にいい加減な講座だったんです。
昔も今もそうですが、
わたしはいわゆる営業とか集客というのはしたことがなくて、
例えばカフェで書いてトレイに載せて返却するのを見た人が
「習いたいので人を集めます」とか
ある日電話がかかってくるだとか、
笑い文字に限らず、
出版も取材も、仕事全般も、人生全般もそんな感じです。
やがてそのうち、
「教え方を教えてほしい」という人が現れるんです。
つまり、講師になりたいという人が現れるのです。
でも、わたし、
それが本当に嫌だったんです。
2013年の夏のことです。
(つづく)